あのころ、父は学徒動員で長崎にいた。
あの日、15歳の少年は昼夜交代勤務で兵器を作っていた。
夜勤が終わり、寮で眠っていたという。
気がついたら、身体ごと放り出されていた、という。
あの日を想像で終わらせたくなくて、
リアルな現場に立ちたくて、数年前から長崎へ向かうあの日。
特別な日になって75年。8月9日11時2分。
2020年、コロナ禍により、祈念式典は一般参加ができない。
7月、入院中の父にずっと寄り添っていた母が逝った。
毎週の法要で有田に通う週末。
法要後、家族でたいせつに保管してあった家の戸籍を見る。
嘉永7年(1854年)の記録もある。
166年前の江戸時代である。
明治、大正、昭和、平成、令和、と時代は続いている。
時の流れにそってつながれた戸籍の変遷からは
父と母の人生が断片的であれ思いおこされる。
お経のあと、お茶とおはぎを食べながらすごす。
身内だから、今だから話せる昔の話もある。
その足で、75回目の特別な日を迎える長崎へ向かった。
市内各所で、その日へ向けて準備がすすんでいる。
時は流れていく。
空を見上げる。
雲も流れていく。
熊本への深夜の帰路、カゼトが唄う。
🎵タイムラインはとばしてこーぜ
揃った道理 知らなくても
〜アルバム”sickufo”get me high〜
旅するオーガニックストア
2015年 昭和の木造平屋のスモールハウス「おもや」から始まった2拠点暮らし。スモールでエコロジカルな暮らしをさぐるラボ。 九州各地にある拠点はどれもカフェであり、学校であり、塾であり、みんなの居場所。 人と出会い、モノと出合い、自然と出会う、そんな居場所。 みんなの居場所だから、そこにあるものをたいせつにすることだけが唯一の約束。 いってらっしゃい。お帰りなさい。お茶でも飲みましょう。
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